映画レビュー「FASHION REIMAGINED」

2023年9月22日から日本で上映が始まった映画「FASHION REIMAGINED(ファッション・リイマジン)」
名古屋のミッドランドスクエアシネマで鑑賞することができました。

ざっくりとしたストーリーは、Mother of Pearlのクリエイティブディレクターに就任したエイミーが同僚と世界各地をまわり、生産者と協力してサステナブルなコレクションを作り上げるまでに密着したドキュメンタリー。一言に「サステナブルな」と言っても洋服には、原料、加工、染色、縫製などのあらゆる段階でサステナブルな方法が求められるため、原料となる綿花畑や牧羊業者を訪ねるところから始まります。
ワタからどのようにして洋服が作られるのかがわかると同時に、どの工程でどんな環境負荷があるのかを知ることができるので、洋服好きな方にはぜひ見ていただきたい映画です。

ここでは記録として映画を観た感想をまとめています。

服の原料がどこで育ったかを知る
難しさ

洋服の形になる前の生地を大量に作るには、1箇所の綿農家の生産量では足りず、世界各地からをワタ集めなくてはならないため、この生地はどこで作られた綿を使っているのか不明な場合が多いのだそう。私たち消費者が、生地メーカーまでもが知らない原料のルートがあることを知り、洋服の透明性を高めることの難しさを改めて感じました。

アパレル業界人も知らない環境負荷

綿花畑では、農作物に用いられる農薬の中でも有害な農薬が散布され、洋服に施す加工によっては多くの有害な化学薬品が使われているのだそう。以前、アパレルデザイナーとして働いていた私自身も「この素材を使いたい」「この色に染めたい」「加工を施して服をこう見せたい」などと、知らないうちに工場で働く人や環境に悪影響を与えていたのかも知れないと気づかされました。洋服の環境負荷の半分以上はデザインで決まると言うのがよくわかり、どう環境に配慮するかを考えて洋服をデザインするべきだと強く感じました。


ファッションをサステナブルに
変革する

まだまだファストファッションを求める人が多い今、サステナブルであることの必要性や将来性は世界でもあまり理解されず、環境配慮を掲げるブランドが批判をうけることがあるそう。ファッション以外でも、発信元には同じ状況があるかと思います。それに屈することなく行動し続け、コレクションを成功させることでファッション界に影響を与えたエイミーをみて、とても勇気をもらいました。どんな形でも正しい方に向かって行動し続け、周りを巻き込むことで世界は少しずつ変えられるのかも知れません。

なんとなく頭で想像していたことも、実際の映像で見ることで本当の意味で理解でき、新たな発見がありました。
実際に現地に行けば、さらにわかること、感じることがあるのかも知れません。
まずは上映が終わってしまう前に一度映画を観ていただきたいです!

ー END ー

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