森下メリヤスさんへ工場見学 in和歌山
12月15日(金)、「服のたね」プロジェクトの一環で、森下メリヤスさんの工場見学に参加しました。
メリヤスとはニットの別名で、編むことで伸縮性を持たせた生地のことを言います。森下メリヤスさんは1907年から110年以上続く丸編み生地メーカーです。各地から糸を取り寄せ、200台以上ある丸編み機から作る生地に合わせて編み機を選び、生地を編み立てています。服づくりの工程で言うと、糸から生地にする部分になります。
工場見学でふれた「和歌山」や「メリヤス」についてご紹介します。
産地としての和歌山
和歌山では、1900年代初頭にスイス製の編み機が導入がされ始め、戦後も古い編み機が残ったことで新旧の多様な編み機が揃う、全国屈指の丸編みメリヤス産地へと発展しました。
古い編み機を今も使える状態に保ち、軍手や包帯から世界のハイブランドも取り扱う良質なニット生地まで、時代に合わせて柔軟に対応できたことが「和歌山のメリヤス産業」の今につながっているのだと感じました。
丸編み機について
丸編み機とは、円筒型の機械の周りに何十本もの糸をセットし、中にびっしり並んだ専用のメリヤス針によって回転しながら生地を筒状に編み上げる機械です。丸編み機から作られる生地には 天竺、フライス、スムース、ジャージー、パイル(裏毛)、ワッフルなどがあり、洋服としては Tシャツ、スポーツウェア、スウェット、肌着などに用いられています。
メリヤスのこれから
メリヤスは糸の原料、糸の細さ、編み方によって何通りもの生地を生み出すことができるため、時代に合わせて求められる素材を生み出しやすいと言えます。日本ではサステナブルの考え方がようやく広まり始めましたが、海外(特にヨーロッパ)との取引では、環境にやさしい原料を使用した生地づくりや、長く使えるクオリティの高さが重要視され始めているそうです。ロスの生み出さない製品作りや環境に配慮した染色方法など、日本らしい様々なアイデアが実現されることで、よりサステナブルなメリヤス産業へと発展していくことを期待したいです。
実際に産地に行くことで知れることがこんなにもあるんだと気づいた1日でした。服のたねに一緒に参加している皆さんにもお会いでき、ご招待いただいた 服のたねのお二人、森下メリヤスの方々には感謝です。森下メリヤスさんで編み上げていただく今年のスウェットパンツの仕上がりがとても楽しみです。
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