How to リサイクルウール in尾州


尾州産地は、愛知県一宮市を中心とした愛知県尾張西部から岐阜羽島のエリアを指します。日本一の毛織物の産地であり、世界三大毛織物産地の一つです。

今回は、尾州産地で再生羊毛に取り組んでいる工場さんにお邪魔し、作業工程を見せて頂くことができました。
衣服の水平リサイクルが当たり前でない今だからこそ、ずっと昔から行われていた再生羊毛の技術に注目し、服の循環について考えてみませんか。

尾州産地で続く
"再生羊毛"の技術とは

尾州の再生羊毛は「毛七」と呼ばれ、「リサイクルウール」という言葉が注目されるずっと昔から行われてきました。戦後の貧しい生活の中で、自給自足できないウールの服はとても貴重なものだったため、資源を無駄にしない羊毛再生文化が生まれたそうです。

"毛七" という名前の由来は素材の配合にあります。羊毛は再度反毛する(ワタに戻す)際に、どうしても繊維長が短くなり糸にした時の強度が弱くなってしまいます。そこで、毛(ウール)7割:化学繊維3割 を混紡することで強度を出しているそうです。

毛七についてさらに詳しく知りたい方は "毛七のウェブサイト" を覗いてみてください!

参考:毛七 | https://www.keshichi-138.jp/

再生羊毛の現場

工場の中には、ベールの状態(白い布で包んだ塊)の古着と、付属を取り除き色ごとに仕分けた古着のボックスがいくつもありました。
奥の作業スペースでは、ウール混率の高いものを見極め、色が混ざっている柄の部分やタグ、付属(ボタンなどの装飾)などを一着一着取り除いて仕分けていく様子を見せてくださいました。

仕分けた後の古着は、色ごとに「反毛」という工程で再び毛(わた)の状態に戻り、それを紡績することでまた糸になります。

作業の様子を見学させていただいて、、、
再生羊毛は、今後のアパレル業界の資源循環にはとても必要な技術だと感じた反面、再生させるための手間と時間とコストも当然ながら必要で、これをさらに普及させることのハードルも感じました。

また、ここに集められる古着は全国の取引のある回収業者によって回収されたもので、まだ着ることができるキレイな服も含まれていたりと状態は様々でした。
まだ着られるものは、回収に出す前にそのままの形で必要とする人に渡すことができたら、それが一番ベターかもしれません。私たちがどのように服を手放すかということも重要な選択なのだと実感しました。

再生羊毛の可能性

再生羊毛でできる糸は、反毛前の色分けによって同系色のウールが混ざり合い、染色をすることなく表情豊かな唯一無二の一色になります。
生地のクオリティは繊維の状態に左右されますが、再生羊毛のわたにポリエステルを少し混ぜることで糸の強度を出し、バージン素材同等の綺麗な生地に仕上げることができます。

毛七の生地は新見本工場さんの店舗・オンラインで購入することができます。

日本で販売している洋服の98.5%が海外製という、国内流通する衣服のほとんどを輸入に頼り切っている日本で、再生羊毛・毛七の技術は、日本にかろうじて残された’’国内循環の糸口’’です。

しかし、その産業は今現在も担い手の高齢化や次世代の人材不足に加え、仕事自体が海外に流出することによる需要の減少と経営危機など、これからの未来にこの技術を残していくことが困難な状況にあります。

今ここにある資源を丁寧に手間をかけて、再び循環させる。
作る人も使う人も、私たちが選んでいくべきなのはそんな未来なのかもしれません。
再生羊毛の文化をもう着ることができなくなった毛製品たちの最終地点として、私たちの手で未来に残していきたいものです。

ー END ー