Ethical = 道徳的なという意味で、
環境・人・動物に配慮した服作りのこと
「 エシカルであることが
どう世界を変えるのだろう。」
What is ’’ Ethical Fashion ’’...?
エシカルはなぜ必要?
「大量生産が当たり前の現代」
安価な服作りの裏側では
コストカットや危険な化学薬品の使用
製品のための動物利用などが行われ
様々な問題が引き起こされています
生産地の過酷な労働環境
Photo by Alena Shekhovtsova scaled
「工賃が安いため十分な収入が得られない」
「大量生産するため、必要な休憩が取れない」
「職場環境を改善する余裕がない」
「低賃金での児童労働が行われる」
生産者の健康被害
Photo by PexelsのLaura Arias
「大量生産するために有害な農薬を散布」
「有害な化学薬品を日常的に扱う」
「汚水の排水で環境が汚染される」
残虐な毛・革の生産
Photo by Pixabayの3345557,PixabayのBroensshop,
Pixabayのherbert2512
「水鳥からダウン(羽毛)をむしりとる」
「羊のミュルージング(皮膚を切り取る)」
「革製品を大量生産するための過放牧」
このような問題は
洋服を作るひとつひとつの工程で
「エシカルな方法」を選択することで
改善することができます
エシカルな選択とは?
まずは服が作られる背景を知り
どんな視点で選べば良いか考えてみましょう!
エシカル消費(=エシカルな選択)をすることで
問題解決を応援することにつながります。
STEP1
服作りについて知ろう
服のサプライチェーン(供給連鎖)を見てみましょう!
サプライチェーンとは
Photo by Liliia Bila
製品の原材料の調達から製造〜消費に至るまでの全体の流れのこと。
原料の生産から服に仕立てるまでには
多くの人の手が必要となります。
主な洋服作りの流れ
原料の生産 ➡︎ 紡績 ➡︎ 紡織・編み立て ➡︎ 染色 ➡︎ デザイン ➡︎ 型紙 ➡︎ 裁断 ➡︎ 縫製 ➡︎ 出荷
その輸送には絶えずトラック/船/飛行機を利用し
多くの場合2〜4カ国を経由しています。
これはあるTシャツを作る工程の一例です。
綿農家(トルコ)
- 種まき(5月)
- 収穫(10月〜1月)
- 綿繰り (種と繊維に分ける)
- ベール作成 (圧縮し俵状に梱包)
紡績工場 - スライバー作成 (繊維を紐状にする)
- 粗紡 (引き伸ばし甘く撚りをかける)
- 精紡 (さらに撚り伸ばし強い糸にする)
- 仕上げ・検品
生産国へ輸出 - 港へ輸送
- 輸出通関
- バンニング (荷積作業)
- 船での輸送
- 輸入通関
- 国内配送
編み立て工場(バングラデシュ) - 丸編機で生機(キバタ)作成
- 検反
染色工場 - ビーカー試験/色決め (試し染め色見本)
- 前処理 (洗いや漂白など)
- 染色
- 仕上げ・検反
(その頃日本では)製品デザイン企画 - 絵型作成 (デザイン決め)
- 仕様書作成 (寸法など服の設計図)
- パターン作成 (型紙作成)
(バングラデシュでは)縫製工場 - 裁断
- パーツ検品
- 縫製
- 工場検品
- 付属付け/たたみ/袋入れ
- 第三者検品/検針
- 梱包/出荷
日本へ輸入 - 港へ輸送
- 輸出通関
- バンニング
- 船での輸送
- 輸入通関
- ドレーで国内輸送 (コンテナ輸送)
- 指定倉庫納品
- 各店頭配送
- 店頭販売
参考資料 : https://www.fashionrevolution.org/asia/japan/「#RememberRanaPlaza Collection 断念から考える日本のファッショ ン産業の現在地」
このTシャツができるまでには
39の工程と6回の移動を経て
日本に到着しました
期間としては、綿の生産に約半年
その後、デザインをして製品になるまでは
3ヶ月〜半年ほどかかります
ファストファッションブランドでは
より短い期間で製品を生み出しています
このように洋服は
人の手仕事・時間・エネルギーをかけて
世界各地を渡り私たちの手元に届くのです
STEP2
服の価値を考えてみよう
私たちの服はいくらで作られるのだろう?
1着の価値について考えてみましょう
洋服のコスト
Photo by canva
原価(コスト)率とは
商品の価格に含まれるコストの割合のこと
日本のブランドの原価率は
25%〜50%と言われています
つまり、3千円の服の原価は
750円〜1500円
原価(コスト)の中には
「生地代・縫製工賃・付属資材代・
プレス加工代・輸送費」
の全てが含まれており、原価を差し引いた
利益はアパレルブランドの収益になります
原価率は一般向けに公表されていないため
たとえ高価格な商品でも
十分な原価率を確保しているのか
見極めることが難しいのが現状です
コストを抑えた先の現実
安い服を作るには、低価格で材料を仕入れ
低い賃金で大量生産する必要があります
その「安さのシワ寄せ」は生産者に
このような問題をもたらしています
《 綿農家が抱える問題 》
Photo by Pixabayのslummis
- 収穫量を増やすためには強力な農薬が必要となり、散布する作業者の健康を害する
- 借金をして農薬を購入できても、気候によって収穫量が減るとさらに負債を抱えてしまう
- 低価格での取引を求められ十分な利益を受け取れない
- 低賃金での児童労働が行われ、学ぶ機会を失った子供は他の職業を選びにくくなる
《 縫製工場が抱える問題 》
Photo by Andrea Donetti EyeEm
- 低工賃が求められ、十分な賃金が支払われない
- ブランドから要求される納期が短く、長時間労働をしなければ間に合わない
- 若くして工場で働く女性が多く、他の仕事を選ぶことが難しくなる
- 納期に追われ、建物を修復する余裕がない(2013年 ラナ・プラザ崩落事故がその一例)
安く買えた服の向こうには
貧困や労働環境に苦しむ人がいます
洋服を購入する前に、少しだけ
立ち止まって想像してみてほしいのです
STEP3
エシカル消費をしよう
エシカルな商品を見分けるための
「認証マーク」をご存知ですか?
Photo by triocean
素材、フェアトレード、安全性、動物福祉など
項目別に知っておきたいマークをご紹介
商品の認証マークをチェックすることで
エシカルな選択をしやすくなります!
環境保全のマーク
FSC®森林認証
FSC認証は環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林から生産された林産物や、その他のリスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組みです。
参照元 : FSC認証について|Forest Stewardship Council
https://jp.fsc.org/jp-ja/about_FSC_certificate
GOTS認証
GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)とは、繊維製品を製造加工するための国際基準。繊維の収穫〜加工製造〜流通の全ての過程において環境的・社会的に配慮した方法が実行されていることの目印。
原料の70%以上がオーガニック繊維であることや、遺伝子組換えをしない事、労働条件やトレーサビリティーが確保されている事などの要求事項があり、第三者による審査・認証が行われている。
参考 : 日本オーガニックコットン協会|GOTS認証
https://joca.gr.jp/certification/gots/
OCS認証
オーガニック コンテンツ スタンダード(OCS)は、国内のオーガニック基準に認定された農場で生産された原材料の加工過程の検証を提供する国際的な自主基準。有機農業の生産量を増やすことを目的としていて、認証材を5%以上含む製品または95%以上含む製品に対象ラベルが適用されます。
参考 : Textile Exchange|Organic Content Standard (OCS)
https://textileexchange.org/organic-content-standard/
有機JASマーク
農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品を表しており、農産物、加工食品、飼料、畜産物及び藻類に付けられています。
参照元 : 有機食品の検査認証制度|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html
リサイクルのマーク
グローバル・リサイクル・スタンダード(GRS)
グローバル・リサイクル・スタンダード(GRS)は、最終製品に含まれるリサイクル材の含有量を追跡・検証するための自主的な製品規格です。
この規格は、サプライチェーン全体に適用され、トレーサビリティー、環境原則、社会的要求、化学物質の含有量、ラベリングに対応しています。GRSは、最低20%の再生材を使用したすべての製品の加工、製造、包装、表示、取引、流通を対象としています。また、再生材の含有率、CoC(Chain of Custody)、社会・環境活動、化学物質の制限に関する第三者認証の要件も定めています。
参照元 : グローバル・リサイクル・スタンダード|SCS Global Services
https://ja.scsglobalservices.com/services/global-recycled-standard
リサイクル・クレーム・スタンダード(RCS)
リサイクル・クレーム・スタンダード(RCS)は、リサイクル素材を5%以上含む製品に使用することを示しています。リサイクルの段階から始まり、最終的な企業間取引における最後の販売者まで、製造の各段階で認証を受ける必要があります。材料回収および材料濃縮の現場は、自己申告、文書収集、および現場訪問の対象となります。
参照元 : リサイクル・クレーム・スタンダード|SCS Global Services
https://ja.scsglobalservices.com/services/recycled-claim-standard
リサイクルコンテンツ認証
SCSリサイクル含有量認証は、製品または材料に占めるリサイクル含有量の割合(最低5%)を独自に検証するものです。この認証は、消費者使用後または消費者使用前の再生材料を使用し、検証された主張をしたい製品または材料メーカーのためのものです。建材、包装、プラスチック製品、繊維製品、宝飾品、金属、電子機器、家庭用品、木材、紙など、さまざまな業界の製品原料や製品について、リサイクル含有量認証を取得することができます。
参照元 : リサイクルコンテンツ認証|SCS Global Services
https://ja.scsglobalservices.com/services/recycled-content-certification
リサイクルコンテンツ認証- SCSのリサイクルコンテンツ認証は、廃棄物から回収されたプレコンシューマまたはポストコンシューマ素材を使用した製品を評価するものです。この認証では、市場での正確な主張を目的として、再生材の含有率を測定します。
リサイクルプログラム認証- SCSのリサイクルプログラム認証は、リサイクル業者や再生処理施設が、その転用戦略やリサイクル率について信頼性の高い主張を行うためのものです。
フェアトレードのマーク
国際フェアトレード認証ラベル
国際フェアトレード認証は、開発途上国の原料や製品が公平な条件で取引されていること等を認証する制度です。
国際フェアトレード認証ラベルは、①適正価格の保証②プレミアム(奨励金)の支払い③長期的な取引④児童労働の禁止⑤環境に優しい生産などの基準を満たした製品についています。
参考元 : フェアトレードジャパン公式サイト
https://www.fairtrade-jp.org/
フェアトレードUSA認証
フェアトレード認証™製品は、多くの小売業者やバイヤーが現在求めている厳格な社会的・環境的保証を提供します。フェアトレードUSAの認証モデルは、サプライチェーンのあらゆるレベルの取引慣行が、フェアトレードUSA農業生産および捕獲漁業基準(APSおよびCFS)に基づいて登録・監査されるように設計されています。
参照元 : フェアトレードUSA認証|SCS Global Services
https://ja.scsglobalservices.com/services/fair-trade-certification
安全を示すマーク
エコテックス認証
エコテックス®は、世界最高水準の繊維製品の安全性をはじめ、環境や働く人にも配慮した生産体制がとられているかを厳しくチェックする、人と地球に優しい繊維製品の証です。一本の糸、一滴のインクから、製造工程、トレーサビリティまで。
OEKO-TEX® STANDARD 100(エコテックス®スタンダード100)は有害化学物質試験にクリアした繊維製品のみに与えられるラベルです。
OEKO-TEX®ステップ繊維・皮革製品の生産及び工業用ランドリーにおいて、社会的・環境的側面の双方で最高水準の規格を設定しています
OEKO-TEX® ECO PASSPORT(エコテックス® エコパスポート)認証に適合する化学薬剤、着色剤、助剤は、厳しい基準に基づいた試験・分析が行われており、環境への影響を低減しています
WRAP認定監査プログラム
WRAPは、縫製品業界の工場に特化した、世界最大の独立 した社会的コンプライアンス認証プログラムです。このプ ログラムの監査範囲には、アパレル、履物、織物加工、革 製品、旅行鞄、アクセサリーの工場が含まれます。 WRAPは、認定と教育を通じて、安全で合法的で人道的かつ倫理 的な製造を世界中で推進することに専念しています。
ブルーサイン認証
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動物福祉のマーク
RDSレスポンシブル・ダウン・スタンダード
責任あるダウン基準(RDS)は、ダウンと羽毛業界がアヒルとガチョウをより人道的に扱うようにインセンティブを与え、先導する組織に報いる自発的な基準です。
生きた鳥からの羽毛や羽毛の除去(抜き取りや脱皮の収穫)、強制給餌も禁止されています。
参照元 : Responsible Down Standard (RWS)|Textile Exchange
htthttps://textileexchange.org/responsible-down-standard
RWSレスポンシブル・ウール・スタンダード
レスポンシブル・ウール・スタンダード(RWS)は、羊農場の動物福祉と、認定農場から最終製品までの羊毛の保管連鎖に対処する国際的な基準です。
飼育現場では適切に土地・土壌管理がなされ、衛生上の理由で子羊のお尻の皮膚を麻酔なしで切り取るミュールジングをおこなっていないことを示しています。
参照元 : Responsible Wool Standard (RWS)|Textile Exchange
https://textileexchange.org/responsible-wool-standard
ヴィーガン認証
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PeTa認証ラベル
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BCorp認証
Details
そもそも安価な服が作られるようになったのは、生活者である私たちがそれを求めていたことが大きく影響しています。その現状を変えるために私たちができるのは、そうでない「エシカルな服」を求めていることを日々の購買行動で示していくこと。国や企業の取り組みだけではなく、私たちの変化こそ現状を大きく変えるチカラがあります。
ー END ー